窪田義行氏が学級委員長すぎる件

「ニコ動見た」と書いた梅田望夫氏にいちゃもんを付ける窪田義行氏の素敵さについて考えてみたい。

梅田望夫氏のエントリー
■[将棋] ニコニコ動画で「羽生対中川」戦を見た
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20071017/p1
窪田義行氏のコメント1
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20071017#c1192668367
梅田望夫氏の返事
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20071017#c1192672793
窪田義行氏のコメント2
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20071017#c1192712265

私が読んで思ったことは4点。

  • 何の権利があって窪田義行氏が梅田さんに自粛を促すのか
  • 違法アップロードが問題ならニコ動に文句を言えばよいのではないか
  • 書き方が慇懃無礼ではないか
  • というか、棋士日本将棋連盟の目指すべき道がわかっているか

なぜニコ動を見たと書いた梅田さんに自粛を促すのか。違法アップロードであるNHK杯を紹介するな、ということであるが、そもそも窪田氏は著作権者ではありません。
著作権違反は、違法行為の被害者である著作権者自身の“告訴”があって始めて成り立つ親告罪だと思うのですが、なぜにNHKに成り代わって悪を討とうとしゃしゃり出てきたのでしょうか。大体、梅田さんが違法にアップロードしたわけでは(おそらく)ないのですよ。関係ないと思うのですが。

違法アップロードが問題なら、ニコ動に意見を申し上げればよろしいのではないですか。ここでも窪田氏は著作権者ではないわけですから、日本将棋連盟を通してNHKにご意見するとか、直接NHKにご注進申し上げるとかなさるとよいです。これが現行の法に則った手順でしょう。梅田さんに「手順前後」とおっしゃる前にご自身の行動を見直すべきかと思います。

書き口が慇懃無礼なのも気になりました。最初のコメントにある追記は失礼のオンパレードです。追記箇所を全文引用して見ていきます。

追記
近代将棋http://www.kinsho.net/
私も近代将棋誌にコーナーを頂いておりますが、将棋界刊行物のご多分に漏れず、余裕があるとは言い難い状況かと思います。
ご多忙を極めておいでかとお察し申し上げますが、お手透きの折に金子観戦記に関するご随想をご寄稿なさる等、後一押しのご支援をなさっては如何でしょうか。
私自身、昨今近代将棋誌で扱われた金子教室付録が非常に参考になりましたが、梅田先生の熱情溢れるご推薦ご考察が重要な要因ではないかと考えております。

まず、しょっぱなに近代将棋誌に対する思いやりがない。余裕があるとは言い難い、ということが本当であればそんな格好のつかないことをわざわざ公表する必要はありませんし、そうでなければ逆に失礼でしょう。「かと思います」などと「想像して」書いたのなら無責任もいいところです。
忙しい梅田さんだと知りながら「後一押しのご支援をなさっては如何でしょうか。」などと安直にものを頼む態度が理解できません。前の文章を受けると、《著作権違反幇助なんかしていないで、近代将棋は金がないので、原稿を寄付しろよ》と読めてしまうのは私がひねているからでしょうか。
情熱溢れる原稿が欲しいと思うのなら頭を下げてお願いするのが筋だと思うのです。本当に重要だと考えているのだったらですけれども。

ちなみに将棋紙などに寄稿するとどうなるかわかっているのでしょうか。その原稿は近代将棋なら近代将棋でしか読めないわけですよね。今までの経緯からするとWebに転載などは許さないでしょう。一方梅田さんが将棋のエントリーをするだけで将棋ファンはもとより興味のなかった人達まで巻き込んで認知度が上がっていくわけです。果たして日本将棋界に取って得なのはどっちだと考えていますか?

次のコメントでは羽生、中川両氏の名前を挙げ、彼らも窪田氏の意見と同意だと推測して書いておきならが「指摘しておきます」などと上段から発言しておいでですが、将棋界で力(?)のある人々を持ち出して自分の意見を強化するとか、いったいどこの虎の威を借る狐ですか。

最後になりますが。
そもそも日本将棋連盟や関係者はニコ動に違法アップことについてどう振舞うべきだと考えているのでしょう。

日本将棋連盟は将棋を普及するのが使命です。著作権を主張するのが使命ではありません。

ところで、ニコ動にNHK杯戦が流出するということはどういうことでしょうか。話題となった将棋を見るチャンスを失ったファンに対して役に立っているわけですよね。もしなかったらほぼ永遠に見ることはできなかったでしょう。

ニコ動に群がった将棋をあまり知らないファンまでいたことを考えると、将棋だって潜在的ファンはまだいくらでも発掘できそうです。なのに著作権を振りかざしてわざわざ将棋から隔離しようとする。

もし私が窪田氏であれば、逆にNHKやそのほかスポンサーを説得してニコ動や Youtube に全部動画をアップするように要請します。そうすれば興味を持ったファンも将棋に触れやすくなるでしょう。結果的にファンをどれだけ増やすことができるかしれません。彼らは今後の将棋界に関心を持ち、書籍を買ったり道場に通ったりするかもしれません。ニコ動のアフィリエイト売上が参考になると思います。

著作権著作権と「正しいこと」を振り回して息巻いている姿は、出しゃばりな学級委員長みたいで、中学生時代を思い出しました。懐かしいです。


参考作品(amazon
窪田義行先生作品一覧