芹沢本で私の血圧が上がったエピソード

芹沢博文の破天荒盤外記を読んでいる途中だが、気になるエピソードがあるので超引用(p230〜)。

テレビに将棋番組を無役であるのに一人でスポンサーからその番組に必要なこと全て揃え、つくったことがある。本来、役員手当をもらっている理事たちがやらねばならぬことを私が、少し威張っていえば、見るに見かねて(碁に比べて)つくったのであるが、つくっている最中は妨害、でき上がり、評判がいいと、その人事権、ギャラの支払い、スポンサーとの金銭交渉、つまり、おいしいところは全部よこせときた。その理由が、笑わせることに、将棋界のため、会員を納得させるため、とかきれいごとである。
こんなこと、わかっているから断ったところ、なんと、「一枚噛んでいたことにしてくれ」と頼んできたのが三人いた。手柄にしようとしているのであろうが、何ともはや、である。
その者たちの言い草は皆同じ「すばらしい企画で将棋の普及になるから、長く続けたい。それには、手を組もう」である。あまりに腹立たしいので、スポンサー、局などに謝り、三本で打ち切りである。もう数年前のことであるが、それ以後、新しい将棋番組は一つもできない。

本書は昭和59年に出版されているからそこから10年ぐらい遡れば、番組名や、当時の理事達の名前がわかる。芹沢は大言壮語のクセがあるため話し半分に聴かねばならないが、それにしても全身が沸騰するぐらいの怒りを感じる。なんなんだこの理事どもは。…いずれ将棋戯言のネタにさせて頂こう。