剣社通信更新・ゲームブックが衰退した原因 / 『ドラゴンの洞窟』の発売日延期

■ 近況
『魔人竜生誕』発売にともない、ゲームノベルコンテストのコーナーを新設いたしました。コンテスト応募を目指す勇者は一度目を通すことをおすすめします。

読者の方からメールにて、「ゲームブックが衰退した原因」を質問されました。ここ２，３ヶ月だけで同じ質問が４通も来まして、どういうことなのか不思議に思っていたのですが、つい先日来たメールにウィキペディアのゲームブックの項目のURLが併記されていたことでようやく理解しました。

チョコレートナイトを購入いただいた方ならご存知かと思いますが、私の持論は「粗製濫造」が最大の要因であったろうと思っています。しかし、このウィキペディアで書かれている通り、正確なところはわかりません。ただ、私の言うところの「粗製濫造」も遠因の一つでしかなく、実際にはさまざまなベクトルのマイナスの要素があったのでしょうし、原因をひとつに特定することは意味がないのではと思います。

直接的にはこれに尽きます。

「出版社がゴーサインを出さなくなった」

ひとつの基準として「儲かる」なら出すでしょう。しかし、儲かるとは何円の利益を上げればいいのかという数字的な設定が必要になりますし、そこには期限も設けられてしまいます。ブーム隆盛時のゲームブックはどんな駄作でも出せば１万、２万は売れたと聞きます。今は絶対に無理ですね。キャラや著名作家などの名前に頼らず１，２万売るのは至難です。

「大儲けにならないなら撤退」という選択をしたのが、当時の出版社で、「赤字にさえならなければ出す」でほそぼそやっていこうとしたのが当社という違いですね。

実のところ５年経った現時点でゲームブックは赤字です。黒でない以上、今のところは私のわがままで続いているレーベルですが、そんなに会社に損害を与えているわけでもないので、まだしばらくは大丈夫でしょう。しかし、『魔人竜生誕』は少し動きが悪いですね。価格を１００円あげたのが悪かったのかな……。内容的にはレーベルの過去作品のどれにも負けないものが仕上がったと思うのですが、苦戦。

■ 『ドラゴンの洞窟』の発売日を延期いたします。
４月１４日発売予定で作業してきましたが、ギリギリ間に合わないかもしれません。

無理をすれば不可能ではないのですが、焦ってチェックが甘くなっては本末転倒ですので、ここははっきり延期とさせていただきます。読者のみなさまには大変ご迷惑おかけしますが、どうかご容赦ください。

ただ、間に合わないからといって、５月１４日まで延ばすのも馬鹿らしいと思いますので、ここはブレナンデーは諦めて出来次第流通させる方向でいこうと思います。おそらく、１週間から２週間遅れ、どんなに遅くても４月中には出るはずです。

『魔人竜生誕』は動きが悪いのは、宣伝をしてないからじゃないかなと。やっぱしそこにはお金をかけないといけないような気がします。
現実を知ると悲しくなりますが、なに、出来る限り応援しますよ！