出版業界最底辺日記―エロ漫画編集者「嫌われ者の記」 (ちくま文庫)

罵倒芸とエロ漫画雑誌史が楽しめるとの触れ込みだったがうーん。罵倒については芸になっているのかしら…。心肺を抉りながらも膝を打つようなテキストってほどではなかったな。エロ漫画史としては、著者が雑誌編集者なので受け持ち雑誌の情報のみでしか語られていないからエロ漫画雑誌の全体像はわからないものの、現場の雰囲気、漫画家の生態、下請けの悲哀と使えない印刷会社などは事細かにつっこみが入っていて、なるほどこんな世界なのか、と得心した。識らない業界を覗くのは楽しいものだねぇ。