知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)

  • 作者/主演: 苅谷 剛彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002-05
  • メディア: 文庫
  • by anzu_clip

「考える」ための具体的指南書。大当たりの一冊だ。

表題にある複眼思考とは《ものごとを単純にひとつの側面から見るのではなく、その複雑さを考慮に入れて、複数の側面から見ることで、当たりまえの「常識」に飲み込まれない思考のしかた》で、それを得るためには、《ひとつの問いを複数の問いに分解し、それぞれのつながりを考えていく》技術を身につけることなんですね。で、その問いをどのよう分解していけばよいか、ということを掲載されている例題と解法を読んで考える。繰り返すことによって思考方法をブラッシュアップすることができる本です。

ある現象を語ろうとしたときに、意識無意識にかかわらず本書のような思考を自然としているとは思うのですが、ここまでシステマティックになっていることに軽く感動。なんか親近感があるなぁと思ったらこの、複眼思考、将棋で局面を判断するのとそっくりなんだよね。局面1つを駒の配置や手盤など複数の要素を分解して、様々なプラスマイナス部分を引き出し、今後の指し手を決定していくプロセスなんてまさに複雑思考の賜物です。「考える」って、面白いわ。