反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

非正規労働者を作り上げて利益追求に奔走した経団連の面々や、生活保護申請を取りやめさせることに血道を挙げる公務員たち(北九州は断トツ)や、過労死を自己責任だと言い放つ「奥谷禮子」の素敵っぷり(p69 奥谷禮子発言に唖然とするよ!)は読者の怒りをさそわずにはいられない。

一方、社会から復帰するための手段としての公的手段がまともに機能しておらず、いったい税金はどこにつかわれてんじゃああん?と絡みたくて身体がうずうずすること請け合いの一冊。著者の体験や資料を元に冷静な筆運びでかかれており、それがかえってとてつもない憤怒を感じてしまうわー。

本書は中流以下の社会人必読。上流の人は笑って捨てるだろう。


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