自己啓発ならスマイルズ「自助論」が最良な件

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「天は自ら助くる者を助く」というフレーズで有名な「自助論(Self - Help, with Illustarions of Character and Conduct)」は、サミュエル・スマイルズ(1812-1904)によって書かれた自己修養の為の本で、原書は1858年7月にイギリスで出版されています。日本では明治に「西国立志編」というタイトルで日本語訳され、福沢諭吉の「学問のすすめ」と並び、青年たちに広く読まれており、当時の日本で総計100万部ほど売れたと言われているので、日本の発展に大きく寄与しているといえるでしょう。


しかしなぜそこまで売れたのか? それは「独立自尊」を欲していた日本人を奮い立たせるスローガン、エピソードが満載だったからではないかと思います。


「自助」とは、勤勉に働き、自分で自分の運命を切り拓くということであり、自助がいかに個人にとって国にとって大事かということが切々と書かれています。


努力すれば必ず報われる、ということはないけれど成功した人は必ず努力していたよ、なんてことが、有名人の経歴を交えて紹介されています。成功者エピソードを沢山読んでいると活力が湧いてきますよ。ベートーヴェンの自分の力を頼む話や、フランシスコ・ザビエルの凄まじい生き様はとくに好きなエピソードです。

 ある時、ピアノ奏者のモシェレスが、ベートーベンにオペラ「フィデリア」のピアノ用の楽譜を手渡したが、その最期のページの片すみにには「神の助けにによって、つつがなく演奏が終わるように」と記されていた。それを見たベートーベンは、すぐにペンを取ると、その下にこう書き足した。
「神に頼るとはなんたることだ。自らの力で自らを助けたまえ」

スマイルズ「自助論」( 知的生きかた文庫)p84

人生を最高に生き抜きために考えられた沢山のヒントが詰まってて、何度繰り返して読んだかわからないです。凡百の自己啓発本を読むのなら、本書「自助論」を読むことを奬めます。もっと若い頃に出会っていればよかったなあ。


翻訳はいくつか出ていますが、私は昔から繰り返し読んでいる「知的生き方文庫」版を愛読しています。


で、よく理解を深めるために抜き書きをしていたのですが、それが 200 フレーズを越えたので Twitter bot にして公開することにしました。
本書が気になる方は、一度のぞいて(↓リンクをクリックして)見て下さい。


スマイルズ「自助論」bot



■余談
Project Gutenberg本書の原文が公開されています。以前、シャーロック・ホームズの「空家の冒険」みたいに翻訳したいですね。


■余談の余談
シャーロック・ホームズの全翻訳サイトがあります。なんて素敵な時代なのでしょうか!