天才羽生善治神話―谷川光速流との対決 小室 明

9年前の本か。著者死んでるしアレだけど。でもいわせてもらう。牽強付会が過ぎるんではないかい? 羽生の七冠の原因が温泉だとか、花田清輝の理屈を持ち出して分類してみたり好き勝手やりすぎです。なんていうのでしょう、著者が発見した「羽生の秘密」を理由づけるために、集めてきた材料を都合のいいように料理しておるというか。羽生は角使いの名手だという自説を「証明」するために印象的な将棋を持ち出し、箔をつけるために佐藤や三浦に同意させるように誘導している。まあそういう手口があちこちで使われいて、読んでいてうんざりした。ただ、観戦記者だけが体験し書ける、タイトル戦の状況などは忠実に事実を述べているようでその部分は楽しく読めたんですよね。
それにしても羽生を解説した本でまともな本は保坂和志「羽生 21世紀の将棋」をのぞいて全部ダメですな。梅田さんに書いてもらいなよ>将棋本を出すような出版社さん。
つかね、棋士を描いた本って、まともに評価出来る本が少なすぎる。どうにかならんのか?