乱れ殺法SF控―SFという暴力 水鏡子

乱れ殺法SF控―SFという暴力
乱れ殺法SF控―SFという暴力

吃驚するぐらい退屈。理屈がこうも頭に入ってこないのはどういうわけだ?

ひとつは、彼が問題としている作品をほとんど読んでいないので、作品に寄りかかった解説がチンプンカンプンというのはある(山田風太郎のところね)。それと海外作品の解読を全面的にジュディス・メリルに寄り過ぎ、というかだったら彼女の本を読んでおけばいいわけであり、すでに読んでいる私としては本書を読むのが虚しくなった、というのもある。

あと、論理の展開として、右往左往しすぎて読む気を失せさせるし、結論が出た直後でさらに結論を追加したりと、理屈がまとまってないんじゃねえの? 矛盾がぶつかり合うのがSF、と書いてあったけれど(うろ覚えですが)、解説が矛盾したり論旨が不明確のはいかがなものかと思いますねえ。