渡辺 明「頭脳勝負―将棋の世界 (ちくま新書 688)」

本書のターゲットになる人達というのは

  • 将棋のルールはなんとなくわかっている
  • プロ将棋の世界を覗いてみたい

って感じで、私のようなすれた将棋(界)ファンには薄味でした、ってこれはしょうがないですけれど。

「将棋ってのは面白いんだよ」ってことを伝えようと頑張っていますが、どうにも説明に追われて、将棋対局者の心理(第一章)、将棋界の構成(第二章)、開始から終局までの将棋の流れと有望だと渡辺が考えているプロ棋士の紹介(第三章)、自戦記二題(第四章)とそれぞれが舌足らずなように感じました、ってこれもすれたファンだからこそ以下略。四章の自戦記は逆に少し難しいんじゃないかな。たぶんある程度棋力がないとその心理が伝わらないように思ったりします。

だけれど本書が書かれたことによって、将棋を勉強するには何読んだらいい?っていう質問に苦しまなくなったのは嬉しいことです。まずは本書を読んで興味を持ったなら、技術的な棋書を推薦すればいいということですから。

渡辺明、頑張ってるな。



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