タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫 SF 262) カート・ヴォネガット・ジュニア
タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫 SF 262) 浅倉 久志 2000 文庫 by anzu_clip |
すべての時空にあまねく存在し、全能者となった彼は人類救済に乗り出す。だがそのために操られた大富豪コンスタントの運命は悲惨だった。富を失い、記憶を奪われ、太陽系を星から星へと流浪する破目になるのだ! 機知に富んだウィットを駆使して、心優しきニヒリストが人類の究極の運命に果敢に挑戦した傑作!
期待しすぎたのかもしれない。粗筋から色々妄想しすぎたんだ。大富豪コンスタントに課せられた使命の意味、運命のカラクリがその程度のオチとか許せない、って気になってしまうのだ。すれた SF ファンはこれだから始末が悪い。センスオブワンダーのカケラも感じられなかったんだよなー。いや、後半、コンスタントが家族とタイタンへ向かったところまではワクワクしたよ?したんだけどね。
本作は SF 童貞か感受性豊かでしゃれた会話好きにはよいと思います。中学生頃に出会っていれば評価は随分変わったと思うのですが。残念。