不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

偶然だな、って思う事柄の頻度はその人の人生の密度に依存するとは思うのですが、ちょっと今日は私、そんな日みたいよ。

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

  • 作者/主演: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008-12
  • メディア: 新書
  • by anzu_clip

本書は相変わらずの西尾維新節、version 僕の世界であって、主人公が串中弔士であること、初っ端の殺人事件(笑)で大筋はまあ想定範囲であり、オチとなる「だいご問」についても前振りがあるので納得できる。というか、推理小説ではなくキャラ小説だと思えばいいわけなのですよ。西尾マニアはそれでよいし、踏み込むのなら推理小説の課題であるところの、見立て殺人技法についての長い考察だと捉えてもよいのかもしれない。まあそんなのは私の本日の体験からすれば前振りに過ぎない。

本書を読み終えた今日、飲み会があって先ほどまでだらだら喋っていたんですよ。で会も終わり終電に乗り、一緒になった方と喋っていたんですが。

「○○さんっていらっしゃいますよね」
「はぁ。私は長年お世話になっています」
「実は私、その方と昔、少し一緒に仕事をしたことがあるのですが」
「はぁ」
「皆さんご存知でしょうけれど、新しく入った方は知っているんですかねぇ」
「え、なにがですか」
「いやだなあ、言わせる気ですか」


本当に何も知らない私。だが相手は当然知ってますよね、的な言動だったのであわせていたんだけれどどうも要領を得ない。そのうち向こうがポロリと、


「昔あの人○○だったですからねぇ」

と、「だいご問」的な発言をされたわけです。
…人間、吃驚するとまず、現実が認識できずぼーっとしますね。そのうち、過去その方とのやりとりを思い出し、そういえば、と心当たりがだんだん思い出されるんです。そして思わず「ええええええええーーーーーーーーー」と叫んでしまい電車の中で皆さんの注目を浴びることになったのですがね。

そんな、結構長い期間一緒にいましたけれど、つーか深夜残業とか2人でやってたりしたけれど、ぜんぜんまったく気づかなかった。つーか、姿かたち肉付き、というとやらしいけれど、違和感なかったと思うのです。声が低いとは思っていたのですが個性だな、ぐらいで。

いやー、いまだに信じられない。つか、今度会ったらどんな顔であったらいいのかわかんないな。実際会ったら普通に接するとは思うけどさ。読み終えたばかりの小説のトリック(笑)がその日のうちに現実に体験できるなんて、どのランクの偶然なのでしょうね。いやー、明日も早いのにエントリせずにはいられなかったよ。現実的にこのトリックに掛かったら腰が抜けますよ、いや、これ、マジですから。