働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)

働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)
駒崎 弘樹
筑摩書房
2009-05
新書
by anzu_clip

残業・休日出勤して、人生を会社に捧げる時代は過ぎ去った。長時間働いても、生産性が高くなければ意味がない。誰よりも「働きマン」だった著者がどのように変わったか、そして仕事と共に家庭や社会にも貢献する新しいタイプの日本人像を示す。衰えゆく日本を変えるには、何よりも私たちの「働き方」を変えることが、最も早道だ。なぜか?その答えは本書の中にある。

「働くこと」の意識改革とその実践方法を、著者の体験を通じて告白形式に書くことで容易に理解できるようにした一冊。日々残業ばかりで家族との接点がなかなかもてない平社員、それらを束ねる上司、さらにその上の経営者のすべての方に読んでいただきたい。
仕事中心な生き方に閉塞感を感じた著者は、知り合いの勧めでアメリカのリーダーシップ研修に参加し、働くことを意義を捉え直すことになった。
ひとつは、生活のためにお金を稼ぐための「働く」。もうひとつは、人生のなんらかの価値を実現するための「働く」。具体的には、家族や、地域に貢献する生き方だ。で、そのもうひとつの「働く」を実現するには、限られた時間をやりくり、仕事の進め方のやりくりを見直さなくてはならない。
ポイントはここ。新しく目標を設置して仕事の割り振りをやり直す、ということを本気で取り組もうぜ、ってことです。それも一人じゃなく、会社のグループはもとより会社全体でもそうすべきでしょう、そうしないと少子化で働き手が減ることが確定している日本では新しい働き手として期待されている女性の投入が難しくなる。男性が残業ばかりで家庭に時間を使えないと女性も働けないしね。今までは家族単位でなんとかごまかしながら生きてきたけれど、今後は核家族から社会との繋がりをより大事にしたそれに移行せざるを得ないと思った次第。

残業ばかりはおかしい、と思っている社会人にオススメ。なお、著者が運営しているNPO法人フローレンスの病児保育は非常に重要な社会課題だと思います。私も娘を持つようになって初めて意識するようになりました。というわけでアフィリエイトの売り上げの一部をひとり親家庭支援の寄付に使うことにしました。こういった取り組みは今後も広がっていくといいなと思いますが、つか、そもそもこんな支援は国がやれよな!と怒りが沸くのですけれど。


関連
NPO法人フローレンスの病児保育
ひとり親家庭支援の寄付
関連作品(amazon
駒崎弘樹作品集