棋士になるには 大矢 順正

棋士の給料を調べててその一環で読んだ本なんだが、すでに10年近く前の本(1997年発行)なので微妙。
職を決めるための本なのに給料の目安しか書かれていないのは不満だな。初任給ぐらい書いておけよ、というかプロ棋士を目指す人達を増やしたいのなら情報公開は必須だと思うんだけど。一応「目安」を引用しとく。

 A級棋士順位戦での収入は、一般企業の部課長クラスくらい。ほかのクラスの収入はA級を基準にして、おおむね一クラス下のB級一組が七掛けの金額になる。B級2組はB級一組の七掛けといった順となる。ただ、各クラスで棋士の在籍年数、年齢などによって大きく異なるので、クラス別に収入を換算することはできないのが実情なのである。

できないわけない。平均的な例を出せばいいだけである。あほか。
また、10年前の本なので載っている情報がすっかり変わってしまっているものもある。

  • p76 「将棋はプロとアマチュアでは技術の差が歴然としている」→アマトップはプロの中堅と十分渡り合えることが判明。
  • p78 「現在市販されているコンピュータ将棋は、残念ながらアマチュアの初段あたりといわれている」→アマ五段クラス。プロも負けそうになったことがあった。
  • p90 「プロとアマの実力差がはっきり違うゲームは世界でも類をみない」→上記の通り。

また、本書の「棋士の最も重要な仕事は将棋を指すこと、すなわち対局である」(p101)はウソだと思う。棋士の最も重要な仕事は普及。ファンあっての将棋界だろうと思うがどうよ? 著者も老人だからま、しかたないのかもしれないがこの点だけははっきり指摘しておきたい。