東 浩紀 斎藤 環 竹熊 健太郎「網状言論F改―ポストモダン・オタク・セクシュアリティ」

東浩紀がらみの本としては初めて読んだ。東浩紀竹熊健太郎の言説以外はどうも理解しがたい。専門用語が乱舞していてそれらを追っているうちに話の流れがよーわからんよーになるんよね。
オタクの歴史を俯瞰したかっただけなのだけれど、本書はそれらの現象の解析にやっきになっているんで、ちょっと私の期待とは違っていた。唯一竹熊健太郎の個人的な話のほうが興味深かったな。

オタクという人種の発生、拡散については状況証拠を集める段階じゃないかなあ。発掘が足りていなくて、断片から無理して理論を弄んでいるように思えてならない。

とりあえず本書を理解するには、参加者の本を一度は読んでおかないと厳しいねえ。だからって各著者の本が読みたいかというと正直微妙。ラカンフェミニズムは鬱陶しいので斎藤、小谷の本はパス。伊藤剛も難しく考えすぎててヤダ。永山薫の扱うエロ漫画は分かりやすいし資料としてもまとまっていそうな『SEXYコミック大全』などは読んでみようかなと食指は動く。

東浩紀はまだ読むかもしれないが、理屈を読むよりは物語を読んでいた方が幸せだよなあと感じるので、大分後になりそう。


参考作品(amazon
東浩紀関連作品
永山薫関連作品
斎藤環関連作品
伊藤剛関連作品
小谷真理関連作品